2012年3月12日月曜日

整体とプラシーボ効果



副作用がなかったコカイン プラシーボ効果と副作用 の続きです。


「プラシーボの作用としては、心理的な影響と、その後に放出される痛みを抑制するホルモンの影響がある」(P54)
~プラシーボ効果には、脳に働きかけて、痛みを抑制させる効果もあるようです。

それでは、脳のどこに作用するのかというと、脳の 側坐核 という部位です。

「プラシーボの注射を受けた人の痛みは軽減していたのです。
…(中略)…側坐核の活性が上昇し、さらにドーパミンの受容体の活性も増加していたのです。」(P55)

おっと、側坐核は、以前でてきました。

「脳がストレスにさらされていると、脳の側坐核という部位の働きが悪くなります。
側坐核の働きが悪いと、痛みを抑制するオピオイドという鎮痛物質が出にくくなってしまうようです。」


「側坐核が刺激されると、その情報は前頭前野の外背側部を刺激します。」(P56)
~その結果
・扁桃の活動を抑え、不安、恐怖などの感情を抑える
・中脳水道周囲核を刺激して、βエンドルフィンを出させる
・中脳の腹側被蓋を刺激して、ドーパミン神経を活性化させ、それがさらに側坐核を刺激する

上記の作用で→痛みを感じなくなる、とのことです。


「痛みを感じなくなるというのは、側坐核の働きによるものですが、プラシーボの作用には痛みを抑えるという働きだけでなく、「よいことを期待する」という働きもあります。」(P57)

私たちが「よい情報だぞ」と思う場合

前頭葉の外背側部が受理→眼窩回に期待をもたせるような反応→側坐核が活性化→快感作用→中脳水道周囲核を刺激して、βエンドルフィン放出

という流れができるそうです。

「これにより不安がなくなり、痛みも軽減させ、食べ物などの体や脳に及ぼす効果が変化し、病気が治ったりするのです。」(P58)


上記のプラシーボ効果の理論を、整体にあてはめてみると、

1 「これで治るという施術」が、即座核に働きかけ、痛みを軽減させる

2 「これで治るという施術」の期待効果が、それだけで治す効果になっている

ということになります。


これで9割の方の腰痛が完治しました!

どうぞ、お客さまの感謝のことばを見てください!!

という宣伝は、プラシーボ効果を最大限に発揮させるには、どうやら正しいようですね。
先生ではなく、なにより患者さんにとって、よい効果になるのです。
わたしみたいに、「治るか、治らないかはわかりません…」っていっては、プラシーボ半減もいいところでしょう。

ただし、自分の施術はプラシーボだ!という先生は、まずいっらしゃらないですけど…