2012年5月23日水曜日
『甘い物は脳に悪い』 笠井奈津子
甘い物は脳に悪い (幻冬舎新書)
栄養士、食事カウンセラー、フードアナリストである笠井奈津子氏の著書。
仕事や勉強などで頭が疲れた時、「これは脳に栄養が足りてないのだ!」とばかりに、お菓子やチョコなどの甘い物を食べたりしてませんか?
「それはダメですよ~。甘い物は脳に悪いのですよ~」というのが、この本の趣旨です。
甘い物を食べた直後は、やけにテンションが高くなったり、気分が爽快になったりするけれど、しばらくするとだるくなったり、テンションが下がったりしませんか?その理由は
「甘い物を食べることにより、体内では急激に血糖値が上がります。それで一時的に疲れがとれた気分になり、頭もすっきりしたと勘違いしてしまうのです。」(P4)
~なるほど、そういうことだったのですね、ふむふむ。
「問題は、そのあとです。」(P4)
~なに!?
「急に血糖値が上がると身体にとって負担になるので、血糖値を抑えるために膵臓が大量のインスリンを分泌します。膵臓としては、急に血糖値が上がったので…(中略)…通常よりも多くのインスリンを分泌します。したがって、血糖値は急激に下がることになります。その結果、甘い物を食べる前よりも、血糖値が下がってしまい、集中力が続かなくなるばかりか、よけいに疲れを感じ、けだるくなってしまうのです」(P4)
「では、仕事で疲れて、気分転換したいときは何を食べればいいのか。その答えはズバリ、…」(P5)
~あまり書きすぎてもあれなので、ズバリの後は、みなさまがご自身でご確認ください。
甘い物を食べた後にからだがだるくなる仕組みと、だるくなるのだから甘い物はよくない。
それならば何を食べればよいのか?
ということが“はじめに”でほとんど説明されています。
典型的なタイトル買いの本のようです。
「みなさんは、「飽食の時代」という言葉を聞いたことがありますか?この言葉が流行したのは1984年のことで、食料が社会に飽和していることを表現したものでした。」(P18)
~ちょうど小学校の高学年くらいですね。この頃、田舎の方にもコンビニやファストフードがちらほら出現し始めましたね。
「「チャージ」とか「ストレス緩和」といったキャッチフレーズに乗せられて、本当に必要なものを入れるべき胃袋に、あまり必要のないものを入れてしまいます。」(P20)
~なかなか手厳しい…
「寝覚めが悪いとか、疲労感が抜けないとか、集中力がつづかないといった、現代人に特有の半健康状態の原因のひとつは飽食にあるのではないかともいえそうです。」(P21)
「飽食の時代がくるまで、カロリーのない食品の存在など考えられないものでした」(P22)
「私たちの多くは、なぜか低カロリーの食品なら食生活に悪い影響を与えないかのように捉えてしまうわけですが…」(P23)
~というよりも、低カロリー=よいもの、と思いたいのでしょう。
「いくら低カロリーでも、それを摂取すると、ノンカロリー、低カロリーにするために加えた食品添加物によって、酵素の働きが阻害されてしまいます。それによって身体が疲弊することで代謝が落ち、太りやすくなってしまうのです。」(P23)
~カロリーを低くする分、その代償を払っていて、それを考えると割が合わないよ、ということでしょう。
「とくに、良質のたんぱく質は、代謝を上げ、筋肉を落とさないためにも、ダイエットをするうえで欠かせない食材です。」(P49)
「一次、バナナダイエットがはやりましたが、実践して痩せた女性のケースを見たことがありません。なぜならば、もともとヘルシー志向でお肉をあまり食べない女性が、その内の一食を果物だけで済ませたら、ますます太りやすい身体をつくっているようなものだからです。」(P50)
「血糖値を急激に上昇させる毎日を積み重ねていると、糖尿病になりやすくなります。血糖値を抑えるために膵臓はインスリンを分泌しますが、膵臓を酷使することによってインスリンが徐々に不足するようになり、やがて血糖値を抑えることができなくなるからです。」(P68)
「私は、食べることは闘うことだと思います。その意味で、朝食を十分にとらなくなった現代人は、闘うことを忘れた人々だといわなくてはならないでしょう。」(P73)
~なんとも手厳しい…
「セロトニンは、食物からしかとれない必須アミノ酸のトリプトファンによってつくられています。このトリプトファンがとれていないために、結果的にセロトニンが不足し、意欲も気力も萎えて、うつ状態に陥っているクライアントがいます。」(P80)
「たんぱく質をきちんと体内に吸収させるためには、加工品ではない良質のたんぱく質をとることです。」(P81)
「ストレス対策には生のビタミンCを!」(P89)
「疲れたりストレスがたまったときに、甘い物を食べるのはNG!」(P91)
「塩分は、交感神経を優位にするので、一時的に気分が高揚します。また、前述したように、甘い物は血糖値の上昇をもたらすため、やはり一時的に爽快な気分になります。身体がその効果を知っているせいで、多くの人がストレスを感じると、何となくしょっぱい物や甘い物を口に入れてしまいます。」(P91)
「頭が重い、何となくぼやっとする、あるいは頭痛がする、そんなときはまず鉄分不足を疑ってかかることです。」(P99)
「世のたいてのご主人は、奥様の手料理にあれこれ注文をつけることができず、むしろ独身男性のほうが食事のバランスを整えやすいという現実があるように思います。」(P101)
~そうなの??
「朝食は多く、夕食は少なくとるのが理想」(P104)
「太るか痩せるかというのは、摂取するカロリーと消費するカロリーの引き算の問題だけではありません。摂取するカロリーが同じでも、夕食で多く摂取する人は、カロリーを体内にため込みます。」(P105)
「1年に二度三度と風邪をひくとすれば、それは栄養のとり方に問題があるということです。」(P110)
「嘆かわしいことに、薬やサプリメントにはまだ反応するのに、食生活の因果関係を疑う反射神経をさっぱり失っているわけです。」(P111)
~お嘆きの気持ちは、十分わかります。
「肝臓の大敵は、暴飲暴食です。肝臓はたんぱく質でできていますから、その健康を保つには、肝細胞の再生のために必要な栄養素、つまり良質なたんぱく質をとらなくてはいけません。」(P117)
「目の疲れは、そろそろ身体が限界にきていることのシグナルと捉えることができます。」(P156)
「それは、タウリン、亜鉛、そしてムチンです。」(P177)
~タウリン、亜鉛、ムチンをとると効果があるものは?ちょっとムフフな効果です。