2012年2月10日金曜日

バイアグラとサイの角

このブログで何度か プラシーボ効果 について、お話しました。

プラシーボ効果といっても、2種類あります。

1 本来もっている効力を、より強めるプラシーボ効果

2 本来ないはずの効力が、現れてしまうプラシーボ効果


という2つです。

それをわかりやすく表しているいるのが、 “バイアグラとサイの角” です。

この2つに共通しているものは?…

まぁ、バイアグラがあるので、すぐに ピン と、来たかもしれません。
(ちょっと、下ネタチックですみません

男性用のいわゆる【強壮剤】ですね。


バイアグラは、もともと狭心症の治療薬として研究・開発されました。
狭心症の治療効果は認められなかったのですが、思わぬ副作用があることがわかりました。
思わぬ副反応というのが、“強壮”効果だったわけです。
(※バイアグラは商品名で、成分名はシルデナフィルといいます)


薬効成分として、強壮効果があったのが、シルデナフィル(のちのバイアグラ)ということになります。

A このバイアグラを普通に出すのと、
B 先生が耳元で
「今までのバイアグラより、強力な成分のものが手に入ったので、今日は特別に処方しましょう」
と言いながら、出すのでは、これがまた効果が違ってくるのです。
もちろん、同じ成分のバイアグラですよ。

これがのプラシーボ効果です。
新聞の広告とかでも、強壮剤の宣伝に妖艶な美女を使っているのも、このの効果を高めるためです。

強壮剤の宣伝なのに、皇潤の八千草薫さんが出てきたら…
これは一部のマニアしか、のプラシーボ効果が働かなくなります。



一方のサイの角ですが、こちらは古くから漢方薬として珍重されてきました。
そして、今現在でも、その迷信とかしか思えない効果のために、乱獲されています。

ちなみに、サイの角の成分は、大部分がケラチンです。
ケラチンというのは、人間でいうと髪の毛や爪などの成分ですね。
「爪の垢を煎じて飲む」というような言葉もありますが…いやはや、困ったものです。

どうして、薬効がないのに、サイの角が求められるのか?
それは、残念ながら、“効く”からでしょう。

どうして効くのか?
どうしてかわからないけど、効いてしまう。
それがプラシーボ効果のです。

サイの角のという形を、強壮効果のイメージと結び付けてしまっているのでしょう。


もちろんプラシーボ効果が悪いのではなく、悪いのは愚かな人間、
というよりアホな男ですね。


※参照 ウィキペディア シルデナフィル
      サイの角 コカイン価格に匹敵



※追記

[ヨハネスブルク 22日 ロイター] - 南アフリカの観光公園当局は22日、事務所の金庫で保管していたサイの角112本が盗まれたと発表した。盗まれた角は520万ドル(約5億3000万円)以上の価値があるという。

窃盗団は21日に事務所に押し入り、金庫の中から角を持ち去った。同じ金庫には象牙や銃なども保管されていたが、それらは残されていたという。

南アフリカではサイの密猟が大きな問題となっているものの、当局が保管する角が狙われたのは初めてだという。政府によると同国では昨年、1000頭を超えるサイが角の採取を目的に密猟された。