2012年12月5日水曜日

自分の店の隣に格安のリラクゼーションのお店 3

自分の店の隣に格安のリラクゼーションのお店 2 の続きです。


60分6000円と60分3000円のリラクゼーションのお店では、給与も同じわけにはいきません、ということはないですね。

先の例にならえば、60分6000円で時給1000円を得るためには、8時間で4人のお客さまの施術をすればよかったです。
では、60分3000円のお店では、時給1000円の給料をもらうためには、どうしたらいいか?

これは小学生でもわかる簡単な算数ですね。
そうです、働く時間を倍にすればよいのです。

ですから、理論上は、こちらの質問主さまも同様に料金を半分にし、お客さまを倍にすれば現状の売り上げを維持することは可能です。
まぁ、これはほとんど机上の空論ですが。

まず、はじめにそんなに簡単にお客さまは増えないという現実があります。
宣伝をしたり、広告を出せばお客さんが自然に来るということはありません。
また、料金を下げればお客さんが来るだろう、というのもデフレ下の悪しき見識です。

それよりもまずいことがあります。それはこちらの店のスタッフが納得するか、ということです。
今まで半分の時間でもらえていたお給料を、これからは倍の時間働かないともらえないとなると、たいていのスタッフさんはやめてしまうでしょう。

それでは、なぜライバル店はスタッフを集められているのか?という疑問が残ります。
それがこの格安リラクゼーション店が急増しているキモになります。

当ブログでも度々取り上げておりますが、格安のリラク店は雇用形態が違うのです。

※参照 太田市に「わらく」登場

りらくが有名どころですが、最近の格安リラク店の雇用形態は、事業主の請け負い業務なのです。

わかりやすく言うと、給料ではなく、すべて出来高制なのです。

それでは、こちらのライバル店の給与(報酬)体系を考えてみましょう。

ライバル店は、60分3000円で、だいたい施術スタッフの取り分は1800円、つまり6割の歩合給です。
平均単価を2600円くらいに考えると、1日に4人ならば、店4160円:スタッフ6240円。
5人 店5200円:スタッフ7800円。
6人 店6240円:スタッフ9360円。
・・・という具合になります。

こうやってみると、6人目からはだいたい請け負いでの報酬の方が、給与よりもよくなるのかと考えられます。
※まぁ、その分、1日中働きっぱなしという感じになるかと思いますが。

また、ここでわかるのは、お店に入ってくる金額が給与体系の従業員の時よりも、かなり少ないということです。
それでは、本当に少ないのかと言えば、そうともいえないのがみそです。

60分6000円を前提としたお店で、仮にスタッフが5人、1日のお客さまが20人であれば、平均客単価5000円とすると売り上げは10万円です。
この中の給与分(日給8000円×5人)を引いた6万円がお店に残ることになります。

それでは、60分3000円のお店の場合はどうかとういうと、料金が安いのでお客さんも集めやすく、歩合給なのでスタッフもやる気が違います。
最低でも、60分6000円のお店の倍の人数はお客さまがいらっしゃるでしょう。
ということは、単純に倍の計算だと、スタッフ5人、1日のお客さまが40人、平均客単価2600円とすると売り上げは10万4千円です。

スタッフに6割(6万2400円)なので、お店には41600円が入ってくることになります。

ここで注意しなくてはならないのは、これは単純計算だということです。
※まぁ、机上の論理ですけど。

もともと、格安のリラク店は大勢のスタッフと雇用形態を結び、多くのお客さまを呼び込むシステムにしています。

ということは、スタッフは10人お客さの数は1日60人という設定が当たり前です。
となると、売り上げは15600円となり、スタッフに93600円、お店に62400円という具合になります。

ここで、ほぼ60分6000円のお店と60分3000円のお店のスタッフに支払った後の取り分が並びました。

ですから、戦略としては、60分3000円の料金でも全然ありなのです。


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