2013年6月14日金曜日

整体の源流 3 ~接骨→整体

整体の源流 2 ~自力整体 の続きです。


今や、整体というと、施術者が被施術者に対して行う施術のことを指していますが、厳密に言えば、自分で行う整体法もあります。

それではどうして施術者が行うもの=整体となったかというと、これは柔道整復師の先生方の力だと思います。

もともと、国家資格である柔道整復師の先生方ができる医療行為は、捻挫や脱臼など、いわゆる「骨接ぎ」と言われている分野のものです。

※参照 整体院と整骨院の違い

また、現在、「接骨院・整骨院」と言っている本来の正しい名称は、 柔道整復師施術所 だそうです。
柔道整復師施術所では、あまりに味気ないですし、何をやっているかがぼやけていますね。
ですから、通り名として「接骨院・整骨院」と名乗り始めたみたいです。

ただ、はじめのころは「接骨院」でもよかったのでしょう。元々は柔道家の副業的な国家資格が柔道整復師の資格でしたので、それを本業にして儲けようという人は少なかったと想像されます。

しかし、月日が経つうちに、国家資格である柔道整復師できちんと生計を立てていこう、という人が増えてきたのでしょう。

そこで、骨接ぎをイメージさせる接骨院から、もっとソフトな感じの「整骨」という言葉が生まれたのではないかと思います。

ただ、この「整骨」にしても扱っているものは、「骨」です。
これでは「骨は別になんともない」という患者さん(お客さん)は呼べません。そこで相性が抜群に良かったのが「整体」という用語です。

整体ならば、骨ではなく体を整えるので、骨に異常がなくても、体に異常があれば行ってもいいところとイメージしてもらえ、訴求効果は格段に高まります。

自力整体は自分で動かして効果が上がる整体法です。自分で動かして効果があるならば、他人が動かしても効果があるはず…ということで、本来自分が動かす体操法である整体を、他人が動かす整体に変えた人たちがいると推測されます。

ここでおあつらえ向きなのが、そう柔道整復師の先生たちですね。

柔道整復師の先生は、もともと骨のプロでしたので、筋肉をさわることなど雑作もないことです。
施術者が行う整体を整骨の分野にうまく取り入れ、骨に関する治療だけでなく、筋肉に関する治療も行うようになったのだと思います。

流れとしても、接骨 → 整骨 → 整体 という感じならば、スムースな流れになっていると思いませんか?まぁ、あくまで言葉遊びのレベルですけどね。

もともとはあくまで筋肉や筋を伸ばしたりするだだけの施術が、関節、つまり骨をボキボキやるのが整体だ、というような世間の認識になったのは、カイロプラクティックの影響が大きいのかと考えられます。


整体の源流 4 ~ボキボキ整体 へ