瀉血とは、簡単にいうと、悪い血を出して、体を健康体にする治療法(健康法)です。
古代から中世にかけて主流の治療法で、この治療法により多くの人が助かった一方、同時にまた多くの人が落とさずともよかった命を落としたと言われています。
今日では、
瀉血により助かる→自然治癒力が働いた
瀉血により助からない→出血多量
という認識です。しかし、瀉血の全盛時代は
瀉血により助かる→瀉血は素晴らしい治療法である
瀉血により助からない→素晴らしい治療法である瀉血ですら治すことのできなかった大病
とされていました。
いわゆる前時代的なものの考え方ですね。
ヒルによる瀉血は、ヒルが血を吸ったその分の出血ではなく、ヒルに血を吸われるときにヒルが口から出す血液が固まらなくなる物質を利用したものです。
つまり、ヒルが血を吸い終わっても、血がだらだらと流れ出るのを利用した瀉血方法です。
傷口付近の血液を凝固させないので、これは単にナイフなどで傷を作り、血液を出すよりも優れていますね。
そのため、今でもヒルによる瀉血は、瀉血としてはメインの地位を保っているようです。
※ただし、瀉血自体が古代から中世にかけての治療法ということはお忘れなく。