ジャンルは全然違いますが、わたしが愛読しているブログに『考える葬儀屋さんのブログ』というブログさんがあります。
その記事の中で「情報の非対称性」に関するおもしろい考察がありましたので、ご紹介しておきます。
考える葬儀屋さんのブログ
高い商品を売る方法
http://funeralservice.livedoor.biz/archives/1872253.html
簡単に話をまとめると、葬儀というのは非常に高い買い物です。
そして、お客様は葬儀に関してほとんど知らない人たちばかりです。
するとそこに「情報の非対称性」が生まれます。
※情報の非対称性…Aさんが知っている情報をBさんは知らない。情報が対称でない状態にあること
ですから、30万円の祭壇を50万円で売ったとしても、その違いなどほとんどのお客様はわかりません。
それをもって、売上をあげる社員は優れているのか?と問うているのです。
その是非は、個人の見解に委ねますが、本来の仕事ということを考えれば、決して優れているとはいえないでしょう。
それはなぜか?
本来、仕事というものは、「非対称性の解消」です。ただし、それは実務における非対称性の解消が本来の仕事ということであり、実務が情報分野のもののみ、“情報の”非対称性が仕事ということになるのだと思います。
つまり、葬儀屋さんならば、個人では到底出来ない葬儀の施行をすることが、本来の仕事(非対称性の解消)であり、情報による非対称性、上に挙げた祭壇の料金がわからないのにつけこみ利益をあげることなどはおかしいのです。
これは、食品や食材の偽装表示が悪いことであり、それで儲けようとするのはおかしいというのと同じ理屈です。
偽装というのも、突き詰めれば「情報の非対称性」を悪用している類のものだからです。
整体においても、百歩譲って整体師の先生が本当に「骨盤のゆがみ」を信じ、「骨盤矯正」を行っているのであれば、これはもう宗教のレベルですから、非難するにあたらずそっと避難すべきです。
もし「骨盤のゆがみ」が医学的に認められていないのを知っていて、それでも骨盤矯正を行っているのでしたら、これはある意味「情報の非対称性」の悪用ではないのでしょうか。
自分(整体師)は「骨盤のゆがみ」の真実を知っている、お客さま(患者さん)は知らない という状態において、骨盤矯正を行うのであれば、先にあげた高い祭壇を売りつける葬儀屋さんとやっていることはなんら変わりません。
今の整体は、このような「情報の非対称性」を悪用して商売にしすぎているきらいがあると思います。
本来はやはり「情報」ではなく、素人さんではできない施術技術の高さという実務の部分を売りにすべきで、それによって健康になれば良し、骨盤のゆがみが直ったとお客さんが思うのも良し…というくらいの方が、整体業界にもお客さまにとってもよい関係性だと思うんですけどね(;^_^A
> 整体師は占い師? 12