2013年11月22日金曜日

週刊朝日 無法地帯のマッサージ業界

肩こりを治すためにマッサージや整体に通ったはずが、しびれや痛みやマヒなどを訴える患者が続出しているという。
一方、このような健康被害以外にも日本カイロプラクターズ協会には、さまざまな相談が舞い込む。
内容はわいせつ行為、マルチ商法、誇大広告と多岐にわたる。

「カイロプラクティックは、施術により体が自然に回復するのを手助けするのが目的で、広告に『治癒』とか『治る』といった表現を使うのは適切ではありません。しかし、カイロプラクティックなどの法規制がない医業類似行為は、誇大広告が後を絶たず、利用者の混乱を招いています」(同協会)


さらに本誌は、リラクゼーション店を全国展開する大手チェーン店の内部資料を入手。
ここには施術によって起こったトラブルの内容と原因などが列挙されている。

▼ボディ40分で左肋骨に痛み
▼腕の牽引によって左手首を痛める
▼お客さまとの会話に夢中になり、力加減の不徹底で腕を痛めた
▼過度な腹部への加圧により肋骨にヒビ……。

同チェーン店の広報に問い合わせたところ、

「スタッフには1週間の研修で、事故が起こらないような技術を徹底して教えています。店舗から事故の報告が上がってきたら、施術との因果関係を検証し、証明された段階で保険会社が応対し、しかるべきお詫びをしています」との答えが返ってきた。

医業類似行為のうち、鍼灸(しんきゅう)、あん摩・指圧・マッサージには、「鍼灸師」「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格がある。

決められた教育機関で3年以上の教育を受け、試験に合格しないと、施術できない。

一方でカイロプラクティック、整体、アロマテラピーなどは資格がない。
昨年発表された国民生活センターの報告でも、無資格者による被害は全体の44.4%で、資格者の16.8%より多い。

奈良県内でマッサージ業を営む有資格者の大谷晴彦氏は、無資格者による施術の危険性をこう訴える。

「私たちは3年の間に施術方法だけでなく、危険性についても勉強します。どういう方にどんな力で施術をすればいいか、病院への受診を勧めたほうがいいかどうか。そういうことを日々考えながら、施術をしているのです。それがわからないまま施術をするのは、危険きわまりない行為です」

※週刊朝日  2013年11月29日号

わいせつ行為、誇大広告、無資格者…無法地帯のマッサージ業界 より


>日本カイロプラクターズ協会には、さまざまな相談が舞い込む
>内容はわいせつ行為、マルチ商法、誇大広告

手で行うものなので、残念ながらどの分野にも 不届き者 が出てしまってますが、マルチ商法はおたくさん (カイロ系)がズバ抜けている と思うのですが(;^_^A


>スタッフには1週間の研修で、事故が起こらないような技術を徹底して教えています。

いや~、堂々と「1週間の研修で」と、きちんと答えているところは敬服しますね。
「徹底して教えて」いる割には事故率が高すぎやしませんかねf^_^;
このような治療が必要になるくらいの事故は、数年に一度起こるかどうかの低レベルな施術事故だと思うのですが…。


>昨年発表された国民生活センターの報告でも、無資格者による被害は全体の44.4%で、資格者の16.8%より多い。

ん?
あれ?わたくしは、齢40を前にして、突然算数が出来なくなってしまったようです(x_x;)

無資格者による被害(A) → 44.4%
資格者の被害(B) →  16.8%

44.4 + 16.8 = 61.2% 

…おいおい残りの「38.8%」はどこへ消えた?!f^_^;

資格者・無資格者、そして、「第3の資格」でもあるのでしょうか??

>昨年発表された国民生活センターの報告

これはリンク先がわからないので、どの報告かはわからないのですが、一応この業界的にはこちらのレポートを指針としていることが多いと思います。

手技による医業類似行為の危害-整体、カイロプラクティック、マッサージ等で重症事例も-(国民生活センター)

ちなみにこの中ではきちんと

施術者が国家資格を有しているか否かにかかわらず、手技による医業類似行為を受けて危害が発生したという相談が多数寄せられている。

と、正当な書き方をしています。
つまり、※数字から普通に判断すれば、 資格があってもなくても、事故は起こっている ということです。
※100%(全体) - 44.4%(無資格者) = 55.6%(有資格者)


>どういう方にどんな力で施術をすればいいか

これはおっしゃる通りです。

>病院への受診を勧めたほうがいいかどうか
>それがわからないまま施術をするのは、危険きわまりない行為

これは論理のすり替えのような気がしますね。

そもそも週刊朝日が無資格者の危険性として例示しているのは

▼ボディ40分で左肋骨に痛み
▼腕の牽引によって左手首を痛める
▼お客さまとの会話に夢中になり、力加減の不徹底で腕を痛めた
▼過度な腹部への加圧により肋骨にヒビ……。

であって、無資格者の判断(診断)による害悪は発生しているわけではありません。
あくまで下手な施術による“健康被害”です。

ですから、国民生活センターのレポートにあるように

【法的な資格制度のない施術については、過去の最高裁判所の判例の主旨に基づき、人の健康に害を及ぼすおそれがないように指導を行うよう要望する。】
※リンク同上

これを順守すべきだと、わたしは考えております。

っていうか、本当に「38.8%」はどこへ消えたのでしょうか?(;^_^A
週刊朝日って、読者が斜め読みすることを前提に記事にしているのでしょうか??


関連ページ マッサージ店で「けが人」続出? 産経新聞より