2014年3月7日金曜日

施術業界の賃金体系


No Money No Honey / JMR_Photography



アロママッサージ店を始める者です。

人を雇用する場合、給与は歩合制が多いのでしょうか?
時給制はあり得ないのでしょうか?

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11122077196


基本的に、賃金体系は雇用者側の有意なものをとることが多いような気がします。
かつては月給や時給などといった時間に対する給与が多かったです。
しかし、昨今では、ご指摘の通り、 歩合といった成果報酬 をとる雇い主が多いように見受けられます。

それはなぜか?

一言で言えば、その方が雇い主側が“お得”だからです…。

かつては、これほど施術業界も盛んではありませんでした。
そのため、働いてほしいという雇い主の求職者の数よりも、働きたいという従事者の数の方が少なかったので、自然、従事者に有意な賃金体系になっておりました。

また、リラクゼーション店なども少なかったので、それなりに、もしくはそれなり以上にお客さまもご来店しておりました。

ですから、自然とお客さんの数=売り上げが計算でき、月給や時間給などの給与を算定するメドが立ったのです。


しかし、今日のリラクゼーションを含む、施術業界は飽和状態です。

かつてのようにお店を開けば、お客さんが自然に来るということはなくなりました。

ということは、売り上げのメドも立ちづらく、営業活動も雇い主(オーナー)だけの力だけでは足りない状況にあります。

そこで、働いている人も営業活動に参加してもらい、その頑張った分(指名など)は別途報酬上乗せで報いるというかたちになっています。


>人を雇用する場合、給与は歩合制が多いのでしょうか?

これは正確には、「雇用」ではなく「業務委託」です。雇用の場合は、(たとえ何もしなくても)拘束時間に対して雇い主は賃金を払う義務があります。


>時給制はあり得ないのでしょうか?

むしろ、これほど歩合給が多くなっているので、時間給の方が喜ばれると思います。
ただし、時間給などの定給の場合、極端な話、施術人数が0人でも、時給800円×8時間=6400円なりは払わなくてはいけません。また、レアケースですが、土日の繁忙日に休みたいという場合も相応に応じなければいけません。

翻って、歩合給の業務委託の場合ですと、施術人数が0人ならば、当然報酬も0円です。
仮にそのスタッフに、2万円の売り上げがあり、半分の歩合だとしても1万円はオーナーの元に残ります。
契約スタッフの数にも制限はありませんので、「土日休み?ラッキー」くらいに他のスタッフから思われると思います。まぁ、職場的には居心地の良いものではないでしょうが…。

歩合給制というのは、いわば、極めてローリスクでありながら、そこそこのリターンになるのです。


時間給の場合ですと、毎日、スタッフが2万円の売り上げをあげ、その時給が800円ならば、オーナーの元に約13000円くらい残るでしょうか。
この場合は、ミドルリスク・ハイリターンくらいでしょうか。


こう分析しますと、歩合給の方が、リスクを取らずに済むという雇い側の有意性があります。

しかし、逆を言えば、「わたしはこれだけリスクをとって、従業員のみなさんの生活を支えますよ」と、定給制にした方が、 これからの経営者にとっては必要な要素 かもしれません。
なにせ、歩合給の不安定さは、精神的に参りますからね…。