2014年8月16日土曜日

心因性の腰痛があるからといって、すべての腰痛が心因性とは限らないから厄介だ

腰痛に「心因性」のものがある、というのが抗うつ薬処方のロジックで『週刊文春』の「腰痛治療革命」と題したレポート(2013年4月4日号)では、痛みの伝達をブロックする「内因性疼痛抑制系」について〈ストレスや不安に長く曝されると、この抑制系の働きが弱まってしまい、痛みを感じやすくなると言われている。
そのため最近では、腰痛治療に抗不安薬や抗うつ薬も処方されるようになった〉と説明される。

だが、問題点を指摘する識者は少なくない。フジ虎ノ門健康増進センター長で精神科医の斉尾武郎氏はこう語る。

たしかに人間の体調と気分には密接な関係があり、心理的なストレスが原因で腰痛を起こす人はいるし、腰痛によってうつ状態になる人もいるでしょう。
しかし、そうした患者さんに抗うつ薬を処方しても、痛みの症状が改善されるというはっきりしたエビデンス(証拠)はないのです」

腰痛で病院に行った場合に「抗うつ薬」漬けにされる恐れあり より


いやーこの問題は案外厄介なものになるかもしれませんね。

今現在、腰痛は「非特異的腰痛」、つまりレントゲンなどで原因がわからないものがほとんど(85%)と言われています。

そこで流れとしては、心因性、つまりストレスなどから腰痛が発症していると考える方向へと変わりつつあります。

治療法として、認知療法など、薬剤によらない療法が取られれば問題は起きづらく、また大きくなりづらいのでしょう。

しかし、抗鬱剤などを腰痛治療のために安易に処方されるようになってしまったら…。これは「血圧降下剤」を凌ぐ大きな製薬市場にもなりかねません。

※メタボリックの検診をはじめ、なぜ日本では血圧が高い人を“作りたがる”のか?ちょっと頭を働かせればそのカラクリはわかります。


今までは、整形外科に行ってレントゲンを撮って、「骨には異常はないですね、湿布を出しておきますね」でした。

しかし、これからは、整形外科に行ってレントゲンを撮って「骨には異常はないですね、心因性の腰痛かも知れませんからお薬出しておきますね」というようになりかねません。

これの何が問題かというと、 腰痛はほうっておいても治る という前提があるのです!!

ほうっておいても治る腰痛がほとんどなのに、整形外科へ来院した腰痛患者に、抗鬱剤などの“腰痛薬”を処方したらどうなるでしょうか?

そのほんとんどは問題なく治るでしょう。しかし、ごく一部の人は上の記事の懸念するように、「薬漬け」になってしまうかもしれません…。